小海線
時間はなんでか早すぎて
外の空気を吸う間もなく
夕焼けなんでか早すぎて
お疲れ様もする間もなく
小海線は途切れ 途切れ
小さな子もスマホ片手に
誰も何もしゃべらない
しゃべらない
9月の夜 胸騒ぎ
時間になんでか追い越され
足がもつれた夏の頃
夕焼けなんでか早すぎて
お疲れさまもする間もなく
丸ノ内線は途切れずに
都会の中を走り行く
誰かが何かをしゃべっている
沈黙がうるさいと感じた
時間はなんでか遅すぎて
星空を待ちすぎた夜更けに
雲が晴れて月が出て
ただ見上げ
流れゆく
時に身を任せ
帰れない