SAGA
さっき見た夕焼けは影と錯覚で 私はそれを羽織って眠る 君のまゆに包まれて眠った 全部を使って眠れば 全部が朝になった あと何回朝がくるだろう あちらこちらやまびこが なくしものを 届けては消えてった 手のひらに残るのは空気 うすく目を開くと何かが残っていた...
kaeritai
私今日は帰りたい わけもないけど帰りたい うまい飯も旦那もペットも いないけど今日は帰らせて 悪い夢を見た 犬鍋の夢 犬を丸ごと 鍋に入れる夢 ぐつぐつぐつぐつぐつ みた 赤くて小さい花 聞こえる 土の寝息が 星のささやきが降る今夜は 捧げたくなるよ 私のすべてを
夜風とデート
救いようのない 優しき果てない日々よ 異常な平熱 保ってる ゆすったらおっこちるグッバイマネー Don't let me down tomorrow ぶら下げたブローチ 余計だったと気づかされ ずっと大事に身に着けていたけれど 外してしまえ余計なものすべて...
胡桃の夢
よく夢をみるの 胡桃色の公園 袖の長いカーディガン 枯れ葉はどこかへ飛んでいく 冬が来ると銀色になるから明かりを灯そう 歌をうたおう 夏の名残りの雲がみえた 吹きこぼれないように 沸かしてる 熱い湯を注いでうごめき始めた クリープ… メランコリー…...
杉並区高円寺
砂漠を知っている 行ったことはないけれど見たことがある 多分空気はこことはちょっと違っていて 太陽で方角を確かめるの 宇宙を知っている そこには無の世界があるらしい 今は恒星の全盛期 星は僕らのいとこだということも知っている 僕らは浮いている星に住んでいる...
小海線
時間はなんでか早すぎて 外の空気を吸う間もなく 夕焼けなんでか早すぎて お疲れ様もする間もなく 小海線は途切れ 途切れ 小さな子もスマホ片手に 誰も何もしゃべらない しゃべらない 9月の夜 胸騒ぎ 時間になんでか追い越され 足がもつれた夏の頃 夕焼けなんでか早すぎて...